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「--ちゃん。菊理ちゃん」
私を呼ぶ声にはっとする。
考えごとをして気づかなかったけれど、後ろに三門さんが立っていた。
「わ、三門さん。おはようございます」
慌てて挨拶した。
朝の儀式の準備をしている三門さんは水色の装束に袴姿。
淡い色使いの装束が黒髪優面(やさおもて)の顔によく合っている。
いつから後ろに立っていたのかな。
「おはよう。何か夢中になるものがあったのかな」
三門さんが私の横に立って話す。
「あ、はい。あのてるてる坊主って、三門さんが付けたものですか」
てるてる坊主を指差して尋ねた。
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