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「てるてる坊主? いや、知らないな。お客さんが付けたのかな」
そう言いながら持っていた枝切り鋏をてるてる坊主に向ける。
「え、ちょっと、三門さん?」
「どうしたの?」
鋏を紐に当てながら三門さんが尋ねる。
「それ、切っちゃうんですか」
「ああ、僕。てるてる坊主嫌いだから」
さらりと答えられた。
「いや、もしかすると今日来られるお客さんが付けたのかなと思って」
「ん? ……そうか。そうかもしれないね」
そう言って、三門さんが鋏を戻す。
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