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「ああ、そうそう。お願いしたいことがあったんだ」
三門さんが自分の手を軽く叩きながら言う。
「お願い、ですか?」
「うん。悪いけど、榊の枝を切ってきてくれないかな。2、3本でいいんだけど」
榊の枝は玉串という神様に捧げるものに使う材料。
この神社の境内にも植えてある木だ。
それで枝切り鋏を持っていたのか。
「分かりました。取っておきますね」
と言って、枝切り鋏を受け取った。
「ありがとう、助かるよ。今日は七五三があるんだけど玉串が切れてるのを忘れてね。ん……。ああ、そうか」
三門さんがまた手を軽く叩いた。
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