Chapter1 くくるもの
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玉串の材料になる榊の木は、塀に覆われた境内の外周に沿って数本植えてある。 神域との境に植える木という意味から“さかき”と呼ぶそうだ。 玉串にして具合の良い枝の見分け方や長さは、三門さんに教えてもらったことがある。 枝切り鋏を使って、木が痛まないように注意して枝を切ってゆく。 2本、3本……。 その時。 風に乗った枯葉が1枚、ひらりと舞って目の前の地面に落ちた。
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