Chapter1 くくるもの

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飛んできた方向を見ると、塀の向こうに枯葉を纏う大きな木が1本見えた。 あの木は鎮守の森の御神木。 鎮守の森は神社を囲むようにある、または作られた森林で、神域と現世の境界の役割を果たしている。 もっとも森というのは名前だけで、実際は決して広くない雑木林。 そんな林の御神木に少し異変があった。 神木の太い枝から縄が2本、垂れ下がっている。 縄はそれぞれの枝にしっかりと括られているが、塀が高く先に何があるかは見えない。 だけど……。
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