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「諦めな、もう逃げられないんだからさ」
先頭のニット帽を被った男が、後ずさりした私に言う。
口元がいやらしく笑っている。
確かにここは木々に囲まれた袋小路。
背後は大木、正面に3人の男達。
逃げるのは難しい。
ニット帽の男が右手で私の肩を掴んだ。
「捕まえたよ、巫女さ~ん」
男の顔がはっきりと見えた。
思ったより若い。10代後半か、もっと下かもしれない。
意外にも綺麗な顔立ちをしていた。
いや、そんなことはどうでもいいか。
身体を触れられていることがよくない。
これは人と深く関わったことになる。
このままではこの人を……。
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