Chapter12 かこむもの

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…………。 ……。 顔中が雪に被われて苦しい。 冷たさより苦しさに耐えられず、私は顔を上げた。 はぁ、はぁと小刻みに空気を吸う。 崖下に落ちたのに私は生きていた。 深くやわらかい雪の上に落ちたから助かったのかな。 じゃあ、お姉ちゃんも……。 ゆっくりと身体を起こした私は、まだ空気の緊張が続いていることに気づいた。 お姉ちゃんの姿は見えない。 だけど不思議な力はさっきより強く感じる。 力を感じる方向は分かる。 もしかするとお姉ちゃんはそこにいるのかもしれない。 私は落ちていた荷物袋を拾うと、やわらかい雪の上を歩き始めた。
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