Chapter12 かこむもの

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二匹の蝶が左右、上下に移動しては道を塞いでいる。 今度はさっきみたいに真っ直ぐ避けるのは難しそう。 どうしよう、どうにかして隙を作らないと抜けられない。 二匹の蝶から受けるプレッシャーは強い。 思わず二、三歩後退りしてしまう。 ビュッッ! 空気を切り裂く音がしたのは背中側から。 痛いというより熱いという感覚と衝撃で前のめりに倒れた。 背中をカッターの刃で斬りつけられた、そんな衝撃だった。 雪の上に血の粒が飛び散っている……。
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