Chapter12 かこむもの

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顔を上げると蝶が三匹になっていた。 そうか、後ろにいた蝶に追いつかれて羽で斬りつけられたんだ。 背中の傷がひりひりと痛い。 雪に散った血の粒は私の血……。 そんな時だった。 ずん……と空気の緊張が強くなる。 もともと感じていた緊張と少し違う、また新しいプレッシャー。 次の瞬間、雪の中から一本の白い腕が伸び、黒い蝶を握り潰していた。 仲間を潰された蝶が白い腕に襲いかかる。 白い腕は握り潰した蝶を捨てると向かってきた蝶を捕まえては握り潰す。 あっという間の出来事……。
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