33313人が本棚に入れています
本棚に追加
「声を上げたって誰も気づかないよ。諦めるんだね」
男の口元が緩み、嘲笑うように動く。
私は声を上げたり、助けを呼んだりなんてしていない。
たぶんこの人は……。
「先輩、早くやりましょうよ」
後ろの男達はもう我慢できない様子。
「いや、だめだ。まだ表情が気に入らない」
私を掴んでいる男が答える。
やっぱりそうだ。
この人は優越感が欲しいんだ。
「かわいそうな人」
私は目の前の男に一番効く呪文を唱えてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!