プロローグ

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「声を上げたって誰も気づかないよ。諦めるんだね」 男の口元が緩み、嘲笑うように動く。 私は声を上げたり、助けを呼んだりなんてしていない。 たぶんこの人は……。 「先輩、早くやりましょうよ」 後ろの男達はもう我慢できない様子。 「いや、だめだ。まだ表情が気に入らない」 私を掴んでいる男が答える。 やっぱりそうだ。 この人は優越感が欲しいんだ。 「かわいそうな人」 私は目の前の男に一番効く呪文を唱えてしまった。
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