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この時、私は哀しい目をしていたと思う。
哀しみと哀れみを含んだ目を。
それが次の事態を招いてしまった。
「その目をやめろっ」
風切り音とともに右頬に衝撃が走った。
それはすぐに痛みに変わる。
「木崎さん、殴っちゃまずいでしょ」
後ろの男達が私を殴った男の腕を掴む。
ニット帽の男は木崎というのか。
鉄の味がする。口の中が切れたみたい。
--痛っ!
今度は右腕に痛みが走る。
男達に掴まれたまま木崎が蹴った小石が当たったんだ。
それでも木崎は怒りが収まらない。
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