武装ドレスっ娘、フロリダに行く

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ある年の12月。世間はクリスマス休暇を迎えていた。 「This is "Golf" calling. Is that "Sierra"?」 電話を取ると、"シエラ"と呼ばれた少女は 「この時期に仕事?」 と、幾分か不機嫌そうに答えた。 「この時期だからさ。」 "ゴルフ"と名乗った声が皮肉っぽく言う。 「で、今度の仕事、依頼人(クライアント)は誰かしら?態々貴方の会社に依頼したんだから、よほどお金に余裕のあるような人──大企業のCEOとか──でしょうけど。」 「お前にゃ敵わないな。正解だよ。」 "ゴルフ"は、やや大袈裟に肩をすぼめて言った。 「クライアントは、I社のCEOだ。」 「場所と時間は?」 「CEOの別荘。25日、二○○○時。」 「チヌークは用意して貰えるんでしょうね?」 「ヒューイが精一杯。」 「Boooo!」 "シエラ"は、あからさまに不平を言った。
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