紫電じゃねえよ。

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「因みに、中身はMP7A1よ。AGOCサイト装備でね。近距離精密射撃用に、固定倍率スコープも用意してあるし、念のためサプレッサーも持ってきたわ。生憎、P46は間に合わなくてね。しょうがないから、33発マガジンのG18Cを持ってきたの。勿論、ストックとフォアグリップもあるけど。あ、バックアップには、コルト・パイソンハンターがあるわ。」 「何処に隠してんだ、そんなもの。」 「ここに決まってるじゃないの。」 "シエラ"は、両手でドレスの裾を引っ張って広げた。 「オーダーメイドだからね、こう見えても動きやすいのよ。因みに、"普通の"は、まあパーティー向けではあるけど、"こういう場"には向かないかな、と。」 "普通の"と言うのは、特に仕掛け──太股に装着したホルスターから銃を取り出す為にその部分だけ裂けやすい、申し訳程度の防弾がされているなど──のない、ごく一般的なもので、"こういう場"というのはつまり、銃撃戦になることが十分想定される場合のことである。
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