3352人が本棚に入れています
本棚に追加
一方その頃。
時を同じく、分からない問題を解くための資料を探して、一見男子生徒に見える少女が図書室を訪れました。
「くっそ…あの先公、アタシにだけ課題を増やしやがって…!」
あの先公とは、もちろんチアヤです。
因みにナーダにだけ課題を増やした理由はとても簡単。
何故なら魔物学の点数が赤点ではないものの、最下位だったからでした。
「魔物なんて倒せてしまえばそれでイイじゃねぇか。」
という猪突猛進な彼女は魔物の知識の重要性なんて、卵の茹で方程度にしかありません。
「それでは駄目なんだ、ナーダたん!」
と、チアヤは某権現の如く嘆き、特別課題を出すに至った、という訳です。
そうして魔物学に関する本棚に近づいた時、ナーダは最近気になっているディアンを発見しました。
気になっている、といっても愛玩動物を見てる意味合いでの興味という所が、なんともナーダらしいです。
「(あ、ついでに分からない所を教えて貰っちまおう。)」
これ幸い、とディアンに声を掛けようとした時、
「はぁ……チー姉様……」
という、切なげな呟きを耳にしてしまいました。
最初のコメントを投稿しよう!