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実際はうんざりして出したため息でしたが、愛玩フィルターのかかったナーダは、"主を思って淋しそうについた呟き"と、捉えてしまったのです。
何と声を掛けていいか分からなくなって硬直したナーダでしたが、気配に敏感なディアンによって直ぐに声を掛けられます。
「あれ?ナーダさん?ナーダさんも資料を探しているんですか?」
その声は呟きの時と打って変わり、明るく人懐っこい声でした。
何と無く…本当に何と無くディアンに心の内を隠された、と感じてしまったナーダは、
「てめぇには関係ないだろうが。」
と、ツン全開な返答をしてしまいます。
そんな返答を受けて、
「まあ、そうですけど…」
と、少し困り気味にしょんぼりしてしまったディアン君。
「(くっそ…そんな顔をさせたい訳じゃねぇのに…!)」
素直になれないナーダは少し乱暴気味に
「アタシに話し掛けるぐらい暇なら、この課題に必要な資料を探すのを手伝え。」
と言い放ちます。
一瞬ポカンとしたディアンでしたが、クスクスと笑い、
「ふふ、分かりました。」
と笑顔でナーダに答えました。
何故なら、ナーダの耳が真っ赤に染まっていたからです。
周りに困らされる苦悩の毎日ですが、それも以前の生活と比べると遥かに楽しいか、と思ったディアンでした。
End。
おまけ。
「いやぁ~青春だねぇ~!」
「…チアヤ…もう姿を現してやっては…?」
「あはー。だって私を探すディアン君が可愛くって!」
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実は最初っから居たチアヤさん。
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