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起こっているであろう事態を想像し、2人は頭痛を覚えたが、
「…仕方ない…アイスを溶かしてしまったら…逆にこっちが怒られてしまうからな…」
「ですよね…。」
と、何とも切ない思いで意を決し、扉を開けた。
「あ、ストラー、お帰り!」
「お帰りなのー!」
「「……………………。」」
やっぱりか。
頭痛と共に少しの胃痛にも襲われた2人。
「…ラゼルさん、俺、リビングは今朝片付けたばっかりですけど?」
「う、うん、これはぁ…」
「…チアヤ…まだ何件か…大口の仕事が校正までいっていなかった筈だが…?」
「あ、あはっ?で、でもコレも結構急ぎで……」
「そうですか、片付けたばかりのリビングを散らかし放題にしただけでなく、本来最優先で片付けなければならない仕事を放り出してまでしてやらなければならない仕事なんですね。
そのコスプレ衣装を作る事は。」
そう、2人が頭痛胃痛を覚えたその光景とは。
リビングを散らかし放題にした揚句、デザイナーのチアヤとパタンナーのラゼルが2人して仕事を放棄し、チアヤの趣味であるコスプレ衣装の制作をしていたのである。
しかも2人が買い物に外出していたたった数時間程でトワルチェックまでを終わらせ、既に仮着用の段階まで進んでいたのだった。
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