137人が本棚に入れています
本棚に追加
危険信号がビンビン反応している。これは、まずい。
「逃げないでください」
慌てて身体を退こうとすると、ガッ!と腕を捕まれ、ドスの利いた声でそう牽制された。
言われなくても逃げられない。
「ちょっと来てもらえますか?」
…うなずく以外に、なにができただろう。
「っ…!」
普段、人が寄りつくことのない空き教室に連れ込まれたかと思うと、扉の鍵を閉められ、間もなく壁に押しつけられてしまった。
押さえつけられている肩が痛いし、なによりも胸が苦しい。
「痛い…」
「やはり、香りがしますね」
は?と顔を上げると、不意に古泉の顔が近づいてきて…
キスされる!と、とっさに目を瞑った俺の横に古泉は顔寄せ、くん、と匂いを嗅いだ。
「僕がつけている香水の香りがします」
ドクンと心臓が高鳴り、間もなく俺の顔が真っ赤に染まる。
な、なに期待してんだ俺!
キスされる!とか、なに考えてんだよ…!!
「顔が真っ赤ですが」
最初のコメントを投稿しよう!