とある日から始まる

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「…いきなり何を言い出すんだ」 心なしか痛みだした頭を押さえ、突発的な発言をした隣の少年を横目で見上げ、俺はそう問いかける。 不意に吹いた柔らかい風になびくくらい、さらさらの茶色がかった髪。 よく見なくてもわかるぱっちりとした瞳は、一見女子のものであるように錯覚するが、よく見てみると、実際は切れ長の、男としての色気のあるものだ。 背丈は俺(=平均)より8㎝(言っとくが、俺は平均だ)高く、声も、低すぎない、言ってしまえば甘いテノールである。 性格だって、俺からしたらただの胡散臭いイエスマンだが、他の女子からしたら、きっと大人びた存在に見えなくもないだろう。 …まぁ要するに、あんまり言いたくないが…こいつには、女子受けするイケメン要素が揃っている男だと言うことだ。 …だと言うのに… 「…ついに頭がイカレたか?」 すると、その少年…古泉 一樹は、しばしその切れ長の瞳で、俺をじっと見つめ返してきた。 「…何だ、気色悪い。こっちをみるな」 「…いえ、つい…」 いつもの微笑を軽くひきつらせたような、少しおかしな顔をした古泉。 …ついってなんだ。 「お前は目があった奴の顔を、意味もなくじーっと見つめるくせがあるのか」 初耳だし、そんな奴がいることさえ知らんぞ俺は。 少なくとも、今まであったこと無い。いや、ハルヒがいたな。 「いえ、そういうわけではありませんが」
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