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「ふざけんなよっ」
さっきまでの震えが嘘のように、俺は、思いっきり古泉の頬を平手で打った。
乾いた音が鳴り響き、古泉の左頬が、赤く染まり出す。力任せに振るってしまったので、痛そうな音と衝撃が、俺の体を襲う。
けど、そんなこと気にならなかった。
何でだろう、涙が浮かんでくる。
「お前…ハルヒが好きだって、言ったじゃないかっ!」
叫んで、相手の両肩を揺さぶり、俺はさらに叫ぶ。
息が乱れ、声が震えて、身体全体が震え始める。
「なぁ、目、覚ませよ!こいず」
「僕だって…」
被せられた声の低さに、一瞬、俺の背筋に震えが走った。
一瞬にして、俺の身体が固まる。
「え、っ、」
「僕だって、」
次いで、ばっと顔を上げたかと思うと、いきなりきつく抱きしめられ、いきなりの出来事に、俺の呼吸が一瞬止まる。
「っ…は、何」
「涼宮さんが好きだと、思っていたんです」
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