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その事実に、俺は息をのんだ。
……―――僕は、涼宮さんが好きなんですよ―――……
「その目は、ひどく苦しげで…けれど、その中には、困惑も混じっていました…」
「……」
苦しげで…困惑が混じっていた…?
「なんで…」
「僕は、その日から、あなたの一挙一動にも気を配るようになった」
古泉の長いまつげが、その瞳を覆い、憂いが滲むその表情に、俺は困惑する。
「…実は、ずっと前に、僕は、涼宮さんを抱きしめたことがあるんです」
「!?」
え!?
「ある日の放課後です…部室に向かう途中、涼宮さんと、ばったり出くわしたので、一緒に部室へ向かっていたのですが、」
階段を下りる途中、ハルヒが足を滑らせたので、助けた拍子に、そんな構図になってしまった…ということらしい。
…なんだよ、びっくりさせんな…
「ちなみに…今僕は、あなたを抱きしめていますが…」
はっきり言われた台詞に、少し顔が赤くなる。
と、不意に、首筋に唇を押し当てられ、俺の動きが止まった。
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