とある日から始まる

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いや、それが聞きたいんじゃなかった。 「まずさっきの発言について答えろ」 「さっきの発言とは、僕が涼宮さんを」 「全部言わなくていいからなぜそう思ったかだけ言え」 言葉を遮ると、少し寂しそうに微笑み、古泉は先を歩いていた俺とまた肩を並べ直し、 「聞きたいですか?」 と、やはり様になるさわやかスマイルで、俺に問いかけてきた。 まぁ結果を言うと、 「気持ち悪い」 だけであるのだが。 どっちかというと、聞きたい気持ちの方が大きいが、まぁそんなこと聞いたところで、結果は同じ、 「ハルヒをお前みたいな奴にやる気はない」 な。近い顔をぐいっと押し退け、ため息をついて今度はにらみあげる。 すると古泉は、堪えきれないとでも言うように吹き出し、また先を歩いていた俺の横に並び、また笑い出す。 どうでもいいが、なぜこいつと俺の歩幅はあわないんだ? 「あっは、まるで頑固なお父さんみたいですね」 誰がお父さんだ、とツッコもうとして、ふと自分の父のことを思いだし、何となく切なくなった。確かに似ているかもしれん…今夜あたり、妹にでも聞いてみよう。
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