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『お前が古泉 一樹なのは、『本当』であり、『正しい答え』だ。でもな、ごめん』 世界が選んだ回答者は、お前じゃなくて俺だった。 お前が大好きな神様は、俺のことを選んだんだよ、悪いけど。 ちくちくと痛みだした胸を押さえながら、そう告げると、古泉は呆然とした顔で俺を見つめ、そして、その端正な顔をくしゃりと歪めると、とすっ、と俺の鎖骨のあたりに頭を押しつけた。 『…羨ましかった』 ああ。 『必死で、本気で愛した彼女を、一瞬の内に虜にして、気にいられたあなたが、すごく羨ましかった』 ああ。 『なのにあなたには、他にも待っていてくれる仲間がいて、その仲間のためになら、彼女だって、恋いこがれるあなたの恋人にそっくりの僕だって、捨てられる…あなたの、その心の強さが』 羨ましくて、憎くて、腹が立って、目の前が真っ暗になって、 『けれど、気付くと僕は、あなたのことしか考えていなかった』
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