137人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
「おはようございます」
心なしか痛む腰とのどを押さえながら、けだるそうに体を起こした俺の横から、そんな爽やかな声が聞こえた。
どうでもいいが、一つのベッドに素っ裸の男が狭苦しく2人で横になってる図は、さわやかな朝のワンシーンにしてはひどく滑稽な図だとは思わないか古泉。
「仕方ないでしょう?僕達は、この道を選んだんですから」
…そう言って、困ったように笑う古泉の顔に、ふと、先程まで顔をつきあわせていたあいつのことを思い出す。
「…なぁ、古泉」
「はい?」
「好きだぞ」
「はっ!?」
突然の告白に虚を突かれたようで、古泉はガバッと体を起こし、目を白黒させた。
その顔に、たまらず吹き出すと、
「か、からかわないで下さいよ!」
子供みたいに拗ねたような声を出され、ごめんごめんと目尻に浮かんだ涙を拭う。
「つい、な」
最初のコメントを投稿しよう!