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あれ?俺は心の中で目を丸くした。
「5組の方とは、あまり面識がないものですから」
「…俺はパス」
おかしい。
いや、会話自体はそんなにおかしくないのだが…おかしいのだ。
「悪い、先行くわ」
「えっ、」
おかしい。
「キョン君?」
「じゃあな」
追いかけてくる足音と、その視線を振り切るように、俺は歩みを進め、途中で走り出した。
後ろを振り返って、古泉がいないのを確認し、ため息に近い息を思いっきり吐き出す。
『キョン君?』
何だ。何だよ、これ。
「古泉のことを考えると…」
…胸が、痛い…
…触れられていた頬が熱くなっていると思ったのは、きっと気のせいだと思う。
気のせいだと、思おう。
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