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「私は、山南くんよりずーっと年上だし、大人の世界はそんなに綺麗じゃないよ…」
そんなの分かっている。
(大人は汚い。だけど…加奈は余りに綺麗だ…)
イライラしている山南を宥めているうち、始業の鐘の音に救われた。
「また明日…ね?」
そう言ってもらえるだけまだマシか…
眼鏡をかけ直すと、山南は保健室から出て行った。
―――――――――――
放課後…
職員室に顔を出しに行くと、仏語教師の伊東がすり寄って来た。
「佐倉先生。今日こそは私に付き合ってくださいよ?」
ぞぞぞぞぞー。
「あっ…えっと…」
魅惑の保健室教師は、伊東が苦手だ。
其処へ地理教師の吉田がやって来た。
「加奈先生は日々の激務で疲れてんだから、伊東先生【アンタ】に構ってる暇はないな…」
(栄太郎先生…)
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