とりあえず片っ端から

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「ふざけてんの!?」 店の中にキンキンとした甲高い声が響き渡った。 客は多くないが、1人残らず声の主を見上げる。 このあたりでは有名な私立女学院の制服に身を包んだ、活発そうな少女が立ち上がりワナワナ震えていた。 「…ふざけたって俺に利点なんてねぇだろ」 向かいに座るのは無駄に態度のでかい、男。 フンッと鼻を鳴らし足を組み直す。 「そんなこと…信じるわけないでしょ!?」 また少女の高い声が店に響いた。 怒りのためか青ざめているようだ。 店員がどうしたものかと互いに視線を交わす。 うるさい。 修羅場か…? 店でやらないでほしい。 早く追い出せよ…。 それぞれ言いたいことが、ありありと表情に浮かぶ。
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