0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふざけてんの!?」
店の中にキンキンとした甲高い声が響き渡った。
客は多くないが、1人残らず声の主を見上げる。
このあたりでは有名な私立女学院の制服に身を包んだ、活発そうな少女が立ち上がりワナワナ震えていた。
「…ふざけたって俺に利点なんてねぇだろ」
向かいに座るのは無駄に態度のでかい、男。
フンッと鼻を鳴らし足を組み直す。
「そんなこと…信じるわけないでしょ!?」
また少女の高い声が店に響いた。
怒りのためか青ざめているようだ。
店員がどうしたものかと互いに視線を交わす。
うるさい。
修羅場か…?
店でやらないでほしい。
早く追い出せよ…。
それぞれ言いたいことが、ありありと表情に浮かぶ。
最初のコメントを投稿しよう!