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11月。
そろそろどこの高校を受けるか決めなければならない。
だけど、特に行きたい所もない。俺が生まれたこの街に未練も、友達も、恋人もいない。
普通の中学生と同じような生活をして、普通な人生を歩んできた。
父親はある会社の結構良い役所でお金には何不自由なく暮らしてきた。一人っ子だし、兄弟仲良く、なんて概念もなかった。だからこそ、少し違う人生を歩んでみたかった。
端「父さん、母さん。俺、田舎に行ってみたい」
両親と進路の話をしていた時に思い切って打ち明ける。俺がそういう願望を持っている事を。
両親は互いに顔を見合わせ、言葉を発さず考えを共有したようだ。
父「お前がやりたい事なら父さんも母さんも止めない。ただ、やっぱり心配だから、父さんの知り合いのいる学校で構わないか?」
端「え、いいの!?」
母「ただし、ちゃんと生きていくのよ。それと、夏休みとかには帰って来なさい」
端「あ、ありがとう!父さん、母さん!」
まだ受験もしてないのに、既に行く気になっている。それほど両親に許された事が嬉しかった。絶対反対されると思ってたから。
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