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勒「えっとだな…。端也太、この寮が別館だということは知っているか?」
端「いや?」
コンマ2秒で返事をする。初めて聞いたよそんな話。
しかし別館か…。ならここがそこまで大きくないのも頷けるな。
それより、誰か『私は本当に駄目な管理人だわ…』ってすごい落ち込んでる未玲を励ましてやれよ。
沙「……………何で、別館って呼ばれてるか、わかる………?」
端「…他のより小さいから、か?」
早「少し違います。端也太君、別館と聞いてどう思います?」
何だよみんなして回りくどい言い方して。言いたい事があるならパパッと言えばいいのに。
端「別館ねぇ…。小さい、物置、…あとは、本館から離れてるとか?」
早「そうです。まさに本館から離れているんです」
端「それがどうかしたの?」
弥「それ本気で言ってるなら、あんたの頭は花畑かもしれないわね」
さっきから弥生が言いたい放題言ってる気がする。
ま、今に始まった事じゃないから気にしないけど。
悠「つまりだなー。本館と校舎は近いんだけど、別館は遠いって事だぞー」
端「だから、それがどうしたんだよ」
勒「お前確か、自転車をこっちに持ってきてなかったよな…?」
あー、なるほど。把握した。
端「…ちなみに自転車でどれくらいかかるんだ?」
勒「そうだな…。大体30分くらいだ」
端「弥生と悠紀は自分の自転車は持ってるんだよな?」
弥「当たり前じゃない」
悠「持ってるぞー」
なるほどね。ここは別館で校舎からは離れている。ここから校舎までは自転車で30分ほど。俺以外は全員自転車を所持している。
結論:その長い距離を俺は走らなければならない。
端「…勒。二人乗りさせてくれ」
勒「馬鹿を言うな。うちの副会長がそんなこと許すはずがないだろう」
ですよねー。未玲は堅いからなぁ。
端「なぁ未玲。自転車余ってないか?」
未「一応ある…、いえ、無いわ。あれは無いに等しいもの…」
無いに等しい自転車ってどんなだよ…。
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