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拝啓 お父様 お母様
桜の花が満開となり、美しさに目を奪われてしまう季節がやって参りました。最近は寒さも和らぎ、すごしやすくなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
僕はこちらの生活にも慣れ、楽しい日々を送っています。それに、こちらの気候、地形は目を見張るものがあります。
例えばこの真っ直ぐと延びた道路。地平線こそ見えませんが、その先には高い山が堂々とした出で立ちで構えております。まるでそこまで導いてくれるかのよう。
周りに目立つような建物は無く、直接自然を感じる事が出来ます。4月の心地好い風が吹き、とても清々しい登校風景です。
暖かくなったとは言え、まだまだ寒さは残ります。二人とも風邪には十分気をつけてください。
敬具
P.S. お父様、お母様。僕は何故か今、走っています。そして、死にそうです。
早「は、端也太君…!大丈夫?あとちょっとだから!頑張って!」
走ること20分。もはやランナーズハイすら超えてしまった。本当に死ぬ。今なら死ねる。
ふふ、死ぬ前に早苗さんの姿を見ることが出来てよかった…。ありがとう、俺なんかの心配してくれて…。早苗さんマジ天使。冗談抜きで。
弥「ふん、自業自得よ。前もって調べておかないからそういう事になるのよ」
お前今すぐタイヤに穴空けてやろうか…。
弥「何よ。言いたい事があるならはっきり言いなさいよ。それとも、言えない理由でもあるのかしら?」
このやろう…。ここぞとばかりに好き勝手言いやがって…。俺が喋れないのをいいことに。
悠「端也太ー、何で言い返さないんだー?いつもならすぐに言い返すだろー?」
お前も走ってみればわかるんじゃないか?代われ、今すぐ代われ。そして俺と同じ状況になれ。
悠「は、端也太ー、目が恐いぞー…。ボク何か言ったかー…?」
勒「やめておけ悠紀。今端也太は狼だから、下手に関わると襲われるぞ?」
悠「そ、そうなのかー!?」
誰が20分走った後に屋外で女の人襲うんだよ。
ってか苦手だって言っただろうが。
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