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走ることさらに10分。ようやく学校に着いたようだ。
今までの学校と雰囲気がまるで違う校門で、俺は皆が自転車を置いて来るのを待っていた。
本当はついて行きたかったけど、そうするだけの体力が無かった。一歩も歩きたくない。
早「は、端也太君。しっかりして?」
端「…もう、俺…入学式、出なくて、いいかな…」
いち早く帰ってきた早苗さんが心配してくれる。
この人の彼氏がうらやましいな…。いいよなぁ、こんな可愛くて反応が面白くて心配してくれて胸も大きい人が彼女なんて。
端「…まったく、早苗さんの…彼氏がうらやましいな」
早「はぇ…?」
早苗さんは最初、『彼氏』という単語の意味がわかっていない様子だったが、急に顔を赤く染め、首を勢いよく横に振った。
早「そそそんな滅相もない!わ、わ私にかか彼氏なんていませんよ!」
その言葉でなんか体力回復してきた。
早苗さんに彼氏がいない…だと…?こんなに可愛い人がフリーだと?
端「早苗さん。本当に彼氏いないの?今まで付き合った事は?」
早「な、何で急に元気に…?本当にいませんよ!お付き合いしたこともありません…」
これは…、キタかもしれない…。
絶対彼氏いるだろうからちょっと諦めてたけど、いないのなら話は別だ。それに俺には寮が一緒というアドバンテージがある。
寮には可愛い人、綺麗な人がたくさん居るけど、親密な関係になるなら断然早苗さんだろ!
ヤベ、テンション上がってきた。
悠「弥生ー、ホントに端也太が変だぞー」
弥「私に振らないでよ。それに、あいつが変なのは元からでしょ」
あいつらは…、いや、落ち着こう。今の端也太さんは気分が良い。あれくらいで言い返したりしないさ。
端「アッハッハ、二人とも!爽やかな高校生活を共に送ろうじゃないか!」
悠「や、弥生ー…、変どころかちょっと気持ち悪いぞー…?」
弥「ダメよ悠紀。あれはあたし達の知らない不審者。関わっちゃいけないわ」
端「ちょっとずつ後ずさるな!何もしねぇよ!」
前言撤回。このままじゃ寮で孤立しちまう。
そうなれば俺の計画も台なしだ。
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