プロローグ

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3月 何の滞りもなく中学を卒業。特に仲が良い訳でもない友達と別れる。大した想い出とかも無いから、何も感動しない。こんなありきたりな人生のどこがおもしろいんだ。 父さんが紹介してくれた学校は私立校らしく、既に合格発表もされている。当然俺は合格していた。 もうこんなレールの上を走る様な人生は嫌だ。俺はもっと自由に、ほとんどの人が経験したことがないような人生を歩む。 そして今、念願の田舎。寮に入ることになった俺はそこの最寄り駅にいるのだが、都会暮らしの俺には想像出来なかったような自然が広がっていた。 近くに見える大きな物と言えば山しかなく、目の前の道路は2車線(しかも滅多に車は通らない)、その両側には田んぼ。 俺は大きな荷物と期待を持ち、地図を頼りにその寮へと歩きだした。 歩く事30分弱。どこが最寄り駅なんだ、と途中で愚痴をこぼしながら歩き、とうとう寮を見つけた。 この田舎の風景に似合わず、シンメトリーの洋風っぽい建物だった。 俺、鷹山端也太(たかやまはやた)はその寮に入るべく、近づいた。 まさかあんなことになると思わずに…。
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