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未「さてと、じゃあ行きましょうか」
勒「そうだな」
どこに行くのかわからないが、1年生を放って2・3年生はすたすたと歩いて行った。
沙「……………何、してるの、行くよ………」
振り向いた沙希がいつものように静かに呟く。
端「行くよ、って言っても…」
悠「そっちは校外だぞー?」
そう、4人は校門から出て行こうとしていた。
早「大丈夫です。ついて来ればわかりますから」
いくら疑問に思っても、早苗さんがあんないたずらっぽい笑顔で言うならついて行かざるを得ない。早苗さんっていう悪魔なら俺は何されてもいい…!
弥「あんた、いつにも増して顔が気持ち悪いわよ…。まぁ、未玲が先導してるんだから問題はなさそうね」
端「…悠紀。針とか持ってないか?」
悠「そんなもの持ってる訳ないだろー?もし持ってたらどうするつもりだったんだー?」
端「弥生の自転車をパンクさせようと思って」
弥「その前にあんたの両腕使えなくしてあげるわよ」
俺と弥生の視線がぶつかる。火花でも散るんじゃないだろうか。
少し睨み合って牽制していた俺と弥生だったが、同時に何かを感じ取った。
そして、首を進行方向に向けた。
未「早く…来なさい…?」
端「了解です!」
弥「はいっ!」
未玲がものすごい威圧感がある笑顔でこちらを見ていた。あれに逆らえるのは世界広しと言えども、よほどの馬鹿しかいないだろう。
未玲達に従い歩くこと数分。
未「さ、着いたわよ」
目的地に着いたようだが、
端「ここって、ホテル…だよな?」
弥「やっぱりそうよね…、見間違いじゃないわよね…」
悠「しかも、高級そうだぞー…」
高級かどうかはわからないが、近くに目的地らしき建物は、このホテルしかなかった。
早「驚きましたか?私達の学校は入学式をこのホテルで行うんです。パンフレットにもインターネットにも載せていないので、知らなくても当然です」
早苗さんはまるで自分の事かのように『どうですか?』と言わんばかりの笑顔を浮かべていた。
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