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荷物を持ち直し、寮の玄関を目指す。
寮だと言うのに、まるで人の気配がしない。まさか今学校という訳でもあるまいし、寝ているという時間でもないはずだ。
しかし、近づいてみるとそこまで大きくないな。寮、というよりはアパートの方が似合うんじゃないだろうか。
そのことを特に気にせず、玄関の呼び鈴を押す。が、確かに鳴ったのに誰も出てこない。
端「すいませーん。誰かいませんかー?」
ドアをドンドンと叩きながら大声を出す。それも虚しく徒労に終わったけど。
う~ん、どうしようか…。とりあえずドアノブを捻れば開いたりして、って開いたよ…。無用心だなおい。
端「すいませーん、お邪魔しまーす」
中に入ると電気も点いておらず、やっぱり人の気配がしない。
おかしいな…。確か父さんの情報によると俺を入れて6人住んでるって、少なっ!大丈夫なのか?経営とかその辺…。
今から入る(予定の)寮なのに心配になってきた。
と、その時、開けっ放しにしておいた玄関のドアがバタンッと閉まる。そして、
?「倒れ伏せ!侵入者どもー!」
端「おぅわっ!?」
その声と共に後ろから誰かに両足を引っ張られる。その結果、前に倒れてしまう。
ってか『侵入者ども』って何!?侵入者でも、どもでもないし!一人だから!
そんなことを考えているとき、こちらに近づいてくる足音が聞こえた。
?「ありがとう、二人とも」
?「……………簡単………」
声を聞く限り、相手は3人。侵入者扱いされてさらにこの状況だと、何か嫌な予感しかしない。
今まで俯せでいた体が強引に仰向けにさせられる。そして視界に入って来たのは、
端「お、女の子…」
?「何よ、女がそんなに珍しいのかしら?だからあんな変態的行動に出たのね」
見る限り、すごくご立腹な様子の女の子(たぶん俺とそんなに歳は変わらない)が見下ろしていた。
ってか、変態的行動について、ものすごく嫌~な予感がするんですけど。しかもその手に持ってるホウキは一体何ですか?
?「この下着泥棒!覚悟っ!」
端「やっぱりそうなんの!?」
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