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振り下ろされるホウキを何とか手で受け止めつつ、弁解しようとしてみる。
端「ちょっ!誤解だって!入居者!俺入居者だから!今ここに着いたばっかりだから!」
?「誰がそんなこと信じるものですか!悠紀(ゆうき)!警察に連絡!」
悠「ガッテン!」
端「だぁー!ちょっと待ったちょっと待った!本気で違うから!」
来た早々に警察に厄介になるなんて俺やだよ!?せっかくの高校入学がダメになりそうじゃないか!
?「ん?端也太?端也太なのか!?」
何かまた声の主が増えた。って、その声は、
端「勒(ろく)か!?頼む!助けてくれ!」
勒「待て、落ち着け未玲(みれい)!悠紀も止まれ!」
勒とは俺の親戚だ。父さんのいとこの娘さんらしい。まぁいわゆる『はとこ』ってやつだな。昔一緒に遊んだ記憶がある。
未「何?知り合いなの?」
勒「知り合いもなにも、こいつは少し前に話した鷹山端也太だよ」
未「ちょっと待って…。鷹山、端也太…、鷹山端也太…、あった!」
未玲と呼ばれたホウキを持った女の子が、どこから出してきたのか何かのリストを見る。
未「………あぁ、ごめんなさい。私達の勘違いみたいだわ…。沙希(さき)、離していいわよ」
拘束されていた両足が解放される。しかし、拘束されてた間、全然両足動かなかったけど、どんな力してんだ…。名前を聞く限り女の子だろうに。
って、女の、子?
未「ほら、立って」
未玲と呼ばれた女の子に腕を掴まれる。瞬間、俺はそれを払い退けていた。
未「…え」
端「あ…、ごめん…。俺…」
勒「未玲。前にも言ったが、端也太は女性が苦手なんだ。私はたぶん大丈夫だろうが」
沙「……………でも、さっきは普通に………」
端「ごめん、意識してないと大丈夫なんだけど…」
震える俺に勒が、大丈夫か?と手を差し延べてくれる。その力を借りて立ち上がる。
未「ごめんなさい…。私は管理人なのに、そんなことも把握出来てなくて…」
端「いいって。こんなの誰もわからないだろうし」
ってか管理人なんだ。
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