プロローグ

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「クソッ、 結構しっかりと縛ってやがる。」 こいつは自力でほどけそうもなかった。 だがこの状況で誰が快く縄をほどくのを手伝ってくれようか。 間違いなく奇怪な目でみられてあらぬ誤解を生むだろう。 と言うことで俺は着陸して乗務員のおばさんにほどいてもらうまでそのままの状態だった。 羞恥にまみれた空の旅を終えた俺は空港のロビーに出ていた。 ずっと同じ姿勢で縛られていたせいもあり体が痛み、 俺はとりあえず腰を落ち着けるためにロビーの椅子に座った。 座った瞬間、 ポケットに何かしら入っている違和感を感じた。 ポケットに目をやると、 封筒が入っていた。 封筒をとり、 ためらいなく封筒を千切った。 中には通帳とカード、 それと一枚の手紙が入っていた。
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