02..やっぱり執事?我が儘ヒメと、苦悩の一日。

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『つーか、これ絶対おわんねー・・・』 目の前に積まれた仕事の山を眺めながら どこからこんなにも面倒が湧き出てくるのかと、うんざりしながら考えていた。 しかしこんな理不尽な我が儘と怒りをぶち当てられて、 よくもまぁ黙って従えるもんだ。 いつから俺はこんな寛大な男になったんだろう。 そもそもこれだけ目茶苦茶なオンナを彼女に出来る神経? もう腐ってんのかな。 『俺、なんで言いなりになってんだ・・・。』 不可解な謎に眉をしかめ、それでもキーボードを叩く指は動きを止めないのだった。 でも、仕事だけなら今までも散々非常識レベルの量をこなしてきたわけだし・・・ なんとか片付けてけば、そのうち会長の機嫌も戻って・・・―――― 「響、ワタクシ小腹が空いたわ。カフェテリアのAランチを持ってらっしゃい。」 「てめぇでやれや!!」 あ、懐かしい展開。 「執事のくせにそんなことも出来ませんの?冬休みのせいかとことん使えなくなったわね。」 「元からだっつの!仕事片せっつったのアンタだろが!腹の虫くらいてめぇで黙らせろ!!」 「これも執事の仕事ですわ。」 「執事じゃない、あくまで秘書!」 「じゃあ秘書の仕事です、早く行きなさい。」 「追加すんな!大体電話あんだろ!持ってこさせろ!!」 「出来ないのなら、まっぱで首輪。」 そう言って指を鳴らすと、出入口の扉が開き、無駄に図体のでかい男が3人現れた。 そのうちの1人は赤い首輪を持っている。 え、誰お前ら? 「なんすか・・こいつら・・・っ!」 ジリジリと近寄って来る、おそらく身長2メートル越えのやり過ぎマッチョ3人。 流石にこの展開は読めなかった。 「もう一度言うわ、響。ワタクシ、カフェテリアのAランチが食べたいの。」 両肘を机について、絡ませた指の上に顎を置き不敵の笑みを見せる。 ふざけんなふざけんなふざけんな!!! そんな我が儘っ・・・!!!!!! 「Aランチっすね、了解です。」 従うしかねぇだろーがぁぁぁっ!!!!!! 「そ?ならとっとと行動に移しなさいな、愚図。」 にっこり微笑みながら左手を一度払うように外側へ振ると、 無駄マッチョ3人は会長に頭を下げて部屋を出て行った。 ・・・結局アイツらなんなんすか!!!!!
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