01..受難の日々、幕開け再び。

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隙だらけの会長を持ち上げるように引き寄せ、ソファーに座ったままの自分の膝へ座らせた。 一瞬の荒技に驚きながらポカンとする会長のマヌケ面と言ったら。 「へ?あれ?なん・・・・・・っっ!」 自分の居る位置に対し遅れてリアクションを取り出す。 顔は余計紅くなった。 どうやら会長は、膝の上に乗るのがとてつもなく恥ずかしいようだ。 なんかキャラじゃないもんな。 「ちょっ!何ですのっ!降りっ・・手を離しなさいっ!!」 ちゃっかり腰を掴んだまま会長の身動きを封じる俺に、怒りと焦りと羞恥がミックスされた感情を剥き出しに見せつける。 構わずにっこり笑う俺。 笑顔には黒い陰が見え隠れする。 会長はそれを察知したのか小さく「ヒッ」とヘタレた声を出してビクついた。 「・・・何、逢えない間寂しかったんだろ?」 「!!!!!!!」 ・・・ウケる。 "ネタにしないって約束したのに!"みたいな顔。 気が変わったんです、アンタのせいで。 「電話もしませんでしたからね、今日の朝学校来る時どんな気分でした?」 「そっ・・・!な・・っ」 「あぁでも会長にしては常識的ですよね。家に押しかけては来なかったし。」 「ちがっ!直前まで仕事が片付かなかったから行けなかっ・・・あ!!」 「・・・へーぇ。」 「いやっ、違うっ・・ます!」 ・・・噛んだ。 つーか家に来る気だったのかよ。 那智と思考が同レベル。 「無理矢理仕事詰めて今日は来たんですもんね?そんなに我慢出来なかったんすか?」 「さっ、3学期初日よ!?ヒメギミとして出席するのは当然ですわ!!」 「終業式居なかったくせによく言う。」 「ぐっ・・!それはそれですわっ!」 「余裕かましといて本音はそんなに乙女だったなんて知りませんでした。」 「違うって言ってますでしょ!?」 「さっきはあんなにしおらしく"逢いたかった"とか言っ・・・」 「そそそ空耳ですわぁぁぁぁぁあっ!!!!」 「てか抱っこされてから顔ニヤけてんの自覚し・・・」 「うぅうぅ嘘ですわぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」 耳を塞いで茹でタコになりながら、たまらず会話を遮断する会長。 うん、面白い。image=396044249.jpg
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