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勿論そんな聞き方をされて素直に答えられる筈も無い会長は、
わかりやすい程顔真っ赤にして言葉を詰まらせた。
一方的に抱き着いているももしろは、あくまで悪気も悪意もありませんて顔で無邪気に笑っている。
因みにそれどころではないのでツッコまないが、
俺やももしろの後ろでは、会長への(無意味で邪魔臭い)フォローをしたがる碧衣朔真と、
それを縛り上げてガムテープで口を塞ぐ無表情の高遠美優が。
まるで邪魔はさせないと言いたそうな高遠美優。
珍しく会長の味方は居ない。
・・・なんか話が読めてきた気がするのは俺だけか?
「あ!もしかしてぇ、ヒメも混ざりたいのー!?♪ならおいで!一緒にひびきクンにギューしてもらおっ!♪♪」
「いやだから一方的に抱き着いてるだけ・・」
「別に響なんかにギュ・・ギュッて・・・・・・~~~~っしてもらわなくたって平気ですわーっ!!!」
うわー・・・あからさまにされたそー。
一応さっきしたんだけど。
「えぇー?じゃあなんで怒ってるのぉ?」
「そっ、それはだからっ!今ひ、ひび・・響はっ・・・その・・・」
「?ひびきクンはぁ??」
ももしろのすっとぼけに、躊躇っていた会長が意を決したように胸を張る。
てか、俺?
「だから!響がワタクシとイチャイチャしたい・・っ!」
―プルルルルルッ!
「「「「「・・・。」」」」」
―プルルルルルッ!プルルルルルっ!
会長室に設置された内線からの電話が鳴り出す。
・・・会長、今何ほざこうとしやがりました?
とりあえず鳴りっ放しもイカンので電話に出る会長。
勢いに任せながらも、強がりを貫くような台詞を口走るところだった会長の顔は蒸発しかねない程茹で上がっている。
そして心なしか、対応する声が小さい。
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