09..帝 国 革 命 !?モテの神髄と嫉妬の究極!

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――――・・・ 「ほんとのこと言っただけじゃない。"吹奏楽部は即刻廃止にすべき"だわ。」 「だからいきなり乗り込んできて何なのあなた!?失礼よ!」 とりあえず騒ぎが発生している中等部へ、あくまで野次馬の気分で覗きに向かった。 ら、人だかりで見えないその騒ぎの中心から、もはや聞き飽きた憎まれ口が俺の耳へしっかり届いた。 「3日経ってもまだ立ち位置理解してないわけ?あたしは桜御琶月!アンタらの失態で鷹乃宮が地に堕ちるなら、あたしはこの内部調査でアンタらを叩き潰す!!」 「・・・っ!」 ザワついていた野次馬がシンと静まり返る。 姿は見えないが、あの迷いを知らない瞳が居る者全てを貫いているのがわかる。 ――――――・・・桜御 琶月。 日本の伝統を総括した、国宝の家系に繋がる高遠の血を引く、桜御家の娘だ。 その歴史は古く、多くは闇に潜みその根を広げている。 表の世界の理に背いた掟とやらに従い生まれた琶月は、 高遠美優の異母兄妹。 因みにこれは非公開情報。 「まず家柄や見栄で習わされてる感満載の演奏が聴くに耐えられない。設備投資に金掛けてるわりだし。てか今時幼稚園児でも世界を驚かせるクオリティーを持ってるのに、何さっきの。楽器版ジャ〇アン?」 「なっ・・!」 ・・・言うよねー・・・。 『いやまぁ、俺も同じこと何度思ったか知れないけど。』 この学院でどれ程感じたかわからない、無駄と無意味の加減。 ツッコむのすら無駄だと諦めていた俺からすれば、今騒ぎの根源になってるソイツは少し前の自分を見ているようで親近感がわく。 「どないするんよ響。またヒメんとこにクレームいくで。」 「・・・俺はこの鷹乃宮の支配人じゃない。」 「アホか、あの双子に目ぇつけられたん誰やねん。早よ行けボケナス。」 「・・・。」 ・・・那智がこうも苛立つ理由、女に対して冷めた態度を出せる理由、 それはここが中等部で、 ・・・ アイツが絶対関わるからだ。 「道ふさいでなんのパーティーやねん。」 ・・・あ。 那智がうなだれた。
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