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「あ・・アカン!響さんはあげへん!!」
なんとすかさず夏弥が反応。
琶月とは反対の腕を掴み、再び琶月を睨み付ける。
・・・腕痛いんすけど。
「何よー。別にあなたのじゃないじゃない。そもそもその発言って、現女帝に喧嘩売ってない?」
「あ、アンタかて今の発言はアカンのとちゃう!?響さんに迷惑やで!」
「ハッ、あたしはここの生徒じゃないもの。てか、恋愛は自由でしょ。センセーがうちの柚月を選ぶなら仕方ないじゃん。現女帝の横暴さにもう心身疲れきってるのよ!」
「姉様の悪口許さへんで!第一響さんは姉様の彼氏やもん!勝手に双子姉とのくだらん噂作るんやめてや!」
「作り話みたいな言い方しないでよ!事実を言ってるだけ!てかあなたこそ人の彼氏狙っといてでしゃばんないでよ!」
「ね!?狙ってへんよ!あたしは姉様と響さんの仲応援してるんやから!」
「はぁ?じゃあセンセーを好きなわけじゃないんじゃん!その手離しなさいよ!」
「好きなんは好きやもん!あたし響さん大好きやもん!でも姉様と幸せになってほしいだけやもん!」
「そんなの恋って言わないっつの!柚月はね、あんなヘタレの陰気娘でもちゃんとセンセーに恋してるのよ!」
「あたしのも恋やもん!ちゅうか姉様の彼氏なんやから双子姉かて手出しでけへんやろ!」
「あんな身勝手で学院の秩序正せない女帝に嫌気さしたからうちの柚月を選んだんじゃん!その証拠に、現女帝をリコールする声は確実に高まってるわ!!」
「っ!!」
勢い付いた二人の言い合いは、琶月の一言で空気を冷ました。
挟まれた俺が一番危害被るってゆう現状を丸無視して夏弥は息を飲む。
周りも琶月の言葉で固まった。
「・・・あたしが連日騒ぎを起こすから、あたしを選んだ女帝が叩かれる?馬鹿言わないで。本来女帝は!分校の人間にこそ慕われて従わせる力を持っているべき存在なのよ!」
あえて周りにも訴えるように眼差しを一周させる。
その声と瞳に周囲は無意識に背筋を伸ばす。
「帝国で愛されて甘やかされるのは!常に帝国が"帝国"と讃えられ続けるために欠落無く国を磨いてこそ有るもの!自由に振り回せる権力と言う剣は同時に己をコントロールするための盾を掲げてこそ赦されるもの!」
大きく吸い込んだ酸素を目一杯使って訴える言葉は至ってまとも。
それは周りにも地響きのように伝わり心を揺らがす。
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