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「あれ、響やー。ヒメんとこおらんでえぇの~?」
「・・・一緒に居るととばっちり食らうからね。」
「なんや、モモちゃんにストロベリータイム邪魔されたん?ここにおっても疲れるだけやと思うで~?」
「心休まるとこなんかこの学コにはねーよ畜生。」
「あはは、まぁせやなぁ。」
想定内とでも言うような悪戯な笑みを見せつつ、あくまで傍観者の那智。
こいつは上手いこと生きてんなぁとつくづく思う。
災いを被らない距離を保ちながら、目の前のいざこざを楽しむ。
・・・要はコイツも悪趣味ってことなんだけど。
何故か一番後ろに居た那智の隣に立ち、溜め息混じりで式が始まるのを待っていたその時――――――・・・
「芹沢君!なんでここに居るの?」
は?
那智の前に居た、どこか見覚えのある女が俺に気付き馴れ馴れしくそう話し掛けてきた。
耳から何かを取り外しやや驚いている。
って、それイヤホンじゃない?
「確か杉浦太○だっけ?音楽聴きながら式に出るなよ。」
「杉浦ほのかだってば!性別まで間違ってるし!私つ○ちゃんを嫁にした覚えないです!」
「ほのかちゃんはいつもこうやで。ちゅうか響が真面目発言してんのて笑う~。」
失礼な。
つかいつもかよ。
その前に杉浦ほのか。
そうそう居た居たこんな女。
「俺ほのかちゃんと冬休みの課題の答え合わせしてて遅れてもーたから後ろやねん。な?♪」
「ね♪」
「え、お前らそんな仲だった?」
「何よ~響、妬いてんけ?♪」
「口に石詰めろ、ぶん殴る。」
「痛い痛いグロイ。響ほんまに短気やなぁ。」
「・・・や、妬いてるんですか・・・?」
「ってお前もかよ!めんどくせぇなくたばれ!」
―ヒソ・・
「ねぇ、あの子芹沢様と那智様に馴れ馴れし過ぎじゃない?」
・・・ん?
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