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「わり、ちょっと通して。」
階段前のフロアにたかってていい人数じゃない程生徒がひしめき合っている。
会長が居るとそれだけで人は群がるが、これじゃ通行の妨げだ。
「え!?あっ・・芹沢様!!」
俺に気付いた生徒が声を張りながら道をあけると、
周りの生徒と共に会長も俺を探すように顔を上げる。
「ひ、ひびき・・・っ」
「え。」
・・・なんで会長ここで泣く!?
しゃがみ込みながら腕で胸を隠すように縮こまっていた会長は、
俺を見つけた途端、それが留め金を外したようにボロボロと涙を流し始めた。
またしても状況が読めず困惑する俺をよそに、泣きじゃくる会長を見て生徒が騒ぎ出す。
「ヒメ!お可哀相に!!」
「女性だったら誰でもつらくなりますわ!」
「ちょっとあなた!ヒメギミに今一度謝りなさいよ!!」
「ヒメギミを泣かせるなんて最低よ!」
「ヒメ、大丈夫ですか!?」
・・・ほぼ女子生徒の怒りと主張。
会長の目の前で固まる男子生徒は、一斉に責められてこちらも泣きそうになっていた。
・・・こっちも可哀相。
「つか、何。なんかあった?」
呆れながら誰に聞くでもなく疑問を口にすると、
力強く女子生徒の一人が怒鳴り上げた。
「この男、ヒメギミにセクハラしたんです!!!!」
・・・は?
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