01..受難の日々、幕開け再び。

48/48
7955人が本棚に入れています
本棚に追加
/1213ページ
いやいやいやいや! 会長キャラ! 自分のキャラ見失い過ぎ!! 気持ちはわかるけど! 俺も内心おもしろくねーし! ワザとじゃなくても野郎絶対やらしー妄想してんし! むかついてんだけど!! けどこの場合は我慢するのが道理だろ!? 『そもそも無意識に手が動くのはアレだ。男の心理っつーか、性?俺も過去に似た失態を犯したかんな。会長で。』 あの時は心底悔しくて、自分で自分を呪ったが・・・ よくよく考えりゃ逆らえないんですよ。 そんくらい女・・・てか会長の身体は危険なんです。 「ゔ~っ・・・グスッ・・・」 「「「ヒメ、お可哀相!!」」」 「すいません、本当に申し訳ございませんんっ!!!」 「・・・。」 だから誰が悪いわけでもないが、 強いて言うなら会長・・・ アンタ立場わかってんのか。 「会長、心底気持ち悪かったんだろうけど今回は水に流して下さい。」 「キモっ!?酷いっす秘書様!!」 「まぁ芹沢様、それではあまりに薄情です!!!」 「「「そうですそうです!!」」」 「ヒメギミの恋人なのに、愛が足りないですわ!!」 「「「そうですそうです!!!」」」 ・・・うるせぇぞ、外野! 「つーかお前らわかってんの?授業始まってんぞ。」 「授業よりヒメギミのほうが大事です!芹沢様は違うんですか!?」 「芹沢様、見損ないましたわ!!」 「「「見損ないました!!!」」」 はぁ!!? 「ガタガタうるせ・・」 「結構。」 騒ぐ女子生徒達への苛立ちを吐き出す俺の言葉を、 今の今まで黙っていた会長が静かに遮った。 か弱く泣いていた会長はどこへやら。 重く鋭い声色が、周りの野次馬をも黙らせた。 そしてゆっくり立ち上がり、俯いたまま涙を拭う。 ウェーブのかかった髪の毛で隠れていて、表情すらわからない。 が、 「お騒がせしたわ、でももう大丈夫。皆さん教室へお戻りになって。」 もう空気でわかる。 声色でわかる。 展開が読める。 「―――――・・・それと、響。」 受難の真髄とは・・・ 「今日から馬車馬のようにあくせく働いてもらうわよ。主人の命令は"絶対"ですから、覚悟なさい。」 このオンナの非道無しには語れない。
/1213ページ

最初のコメントを投稿しよう!