斡旋依頼

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 引き続き、忙しく動き回る職人達の補助を行う。  使い終わった道具の洗浄整理、指示された素材の調達製造等々。指示はあちこちから引っ切り無しに飛び、短い休憩は挟めるものの、一息つける程の暇は無い。  時間がどれだけ経過しても、作業をどれだけ続けても、工房が静かになる気配はない。聞けば、この工房では適時人員を休憩、交代させながら昼夜問わず延々作業を続けるらしい。  製造物に対する探求者としての意見はいつ言えば良いのかと尋ねれば、それは単に人を呼ぶ為の口実だ、とか。何でも、探求者の中には下手な見習いよりも製造に関する確かな腕を持つ者が居り、そんな連中を釣り上げるために時折宿木の方にも依頼を出しているのだという。  ──お前も、適当なタイミングで切り上げて帰っていいぞ。  と、その話をしてくれた職人は、目の下にきっちりと隈の浮いた顔をいとこくに向けつつそう言ってくれた。  これ以上仕事を続行するなら、途中で倒れないように体力と、集中力を保つため持久に気を配る必要があるだろう。      ***  問題なく手伝いをこなす事が出来た。  よく周りを観察し、状況に合わせて適切な行動を取る事を心がければ、そう簡単にミスはしないものだ。  この調子で、気を抜かずに仕事を続けていこう。      ***  いとこくは疲労により、HPが20減少した。 ─See you Next phase─ (ミス時)      ***  あ、と思わず声を上げる。  集中力を欠いていたのか、下準備として行っていた製造の手順を間違い、失敗してしまった。 「おい、何やってんだ! こんな初歩的なミスしてんじゃねーよ、お前、この時間帯の報酬は無しだからな!」  飛んでくる容赦ない罵声。  失敗をしたのは自分の落ち度だ。返す言葉も無く、いとこくは一度深く頭を下げた後、更なる指示に追われるように作業を再開する。      ***  いとこくは疲労により、HPが22減少した。 ─See you Next phase─
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