斡旋依頼

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12/24AM7「WkEv/8h+/50z/中間層警邏」 中間層警邏  いとこくは、契約料として50zelを支払った。      ***  禁領との境界となる幅十数キロの領域。禁領でもなく、しかし普通の土地とも異なる。そんな曖昧な空間を“中間層”と呼ぶ。  今回の依頼は、その中間層を巡回し、禁領の外へと迷い出てきた忌種や禁種を追い払う事だ。  といっても、禁種が禁領外へと出てくることは滅多に無いため、相手は基本忌種。それも群れから逸れたものが大半となる。危険な相手であることは変わりないが、禁領内で戦うよりは幾分マシといって良いだろう。  報酬の方は、時間ごとの基本給の上に、忌種を見つけ対処する度に追加報酬が加算される形になっている。  見つければ見つけるほど貰える金額は増える訳だから、捜索に手を抜く道理はない。いとこくは頬を軽く叩き、気合を入れて中間層に足を踏み入れた。  中間層に入ると、今回の仕事の為とマイグラトリーレアで手渡された術法具に、淡い光が灯る。  拳大程の大きさを持つ球状のこの術法具は、所有者の中間層での行動を記録する機能を持つ他、禁領の外へと出てきた陰性存在を感知する能力も持つらしい。  残念ながら、その能力は中間層でしか使えないらしい。場に存在するもの全てが陰性因子に溢れている禁領内では、忌種や禁種が持つ陰性因子がそれらに紛れてしまい、この術法具の精度では判別が出来なくなるのだとか。  中にはそういった強弱を細かく感知できる術法具もあるらしいが、それは非常に高価なもので宿木所属の探求者においそれと貸し出す訳にはいかないようだ。  取り敢えず、借りた術法具の使用を開始する。  聞いた話では、術法具所有者に対して近隣に存在する陰性存在の位置を“感覚的に伝えてくれる”という事だったが──。      ***  感知失敗!  いとこくは術法具から何の情報も読み取ることが出来なかった。 ─See you Next phase─
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