満月の出会い

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いつの間にか満月の夜が楽しみになっていた。 フォルテと会うことが今の私の喜びであったから。 フォルテと出会って10回目の満月の日。 私は、いつものようにフォルテのいる部屋へと足を運んでいた。 「フォルテ?」 シンと静まった部屋の中に入りフォルテの姿を探した。 奥へ行くと人形の上に眠っているフォルテの姿を見つけた。 「フォルテ…」 近づいてみると寝息が聞こえた。 寝ている…まだ眠りから覚めていないんだ 気を使ってっフォルテの顔を覗いていると、横から両手が伸びてきた。 「!?」 不意打ちでフォルテの唇に自分の唇が重なった。 「ん!?んぅーー!!」 深い口づけに動けないでいると、ゆっくりと唇が離れていった。 「んぁ…はぁはぁ」 「おはよう、マスター?」 フォルテの顔がまじかにあった。起き上がろうとすると腰に回されたフォルテの腕がそれを遮る。 「フォルテ、離して!酷いわこんなこと「どうして?望んでいたことだろう?」 「え…?」 何だか、いつものフォルテじゃない… そう思い怯えていると、フォルテはクスリと笑った。 「これが本当のオレですよ?…マスター」 「そんな…!」 信じられなかった。あの優しいフォルテがこんなにも強引だなんて… 「信じられないって顔だね…」 「……」 フォルテに腕を回されたまま体の位置が逆転した。 私が下になり、真上からフォルテに見つめられる形になった。 「嘘だったの?今までのことは…全部」 「嘘?…半分嘘で半分は真実ですよ」 「どういうこと?」
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