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「フォルテ!?」
水汲み場に来ると、水道の水が噴出してフォルテがびしょ濡れになっていた。
私は服を濡れるのも気にせず、水道の蛇口を捻って水道の水を止めた。
「フォルテ大丈夫?」
「御主人様…」
フォルテは水に濡れてへたり込んでいる。
手を差し伸べるとそれに掴まって立ち上がった。
「すみません…服が濡れてしまいましたね。僕の責任です」
水に濡れたアリエッタの髪を触って、フォルテは申し訳なさそうに誤った。
「これくらい大丈夫ですよ」
「部屋へ行きましょう濡れたままでは風邪をひいてしまいます」
「そうですね」
すると、フォルテが自分の上着を脱いでアリエッタの肩にかけた。
「濡れていますけど部屋につくまで着ていてください」
「ありがとう」
アリエッタの手を取ってフォルテは部屋に向かった。
アリエッタの寝室に来ると、部屋についているバスルームで体を温めるようにとフォルテに言われ私はお風呂に入った。
「はぁ…」
シャワーを浴び服を着ると鏡の前に来た。
「!?」
鏡に気が付くとすぐに顔を伏せて濡れた長い髪で隠した。
私は、自分の顔が好きではない…
綺麗じゃない顔が恥ずかしいから…
『あんたなんか産まなきゃよかった…』
「!?」
耳元からまたあの声がした。
『もうあっちに行ってよ!!』
『不細工ーあははっ!』
やめて!!
耳を両手で塞いで座り込んだ。
コンコンッ
「!?」
「御主人様、お上がりになりましたか?」
フォルテがノックをしてこちらの様子を聞いてきた。
「フォルテ…」
無性に誰かが傍にいて欲しくなった。
ガチャッ
「!」
ドアを開けて私はフォルテに抱き着いた。
驚いたフォルテは何も言わずただ、そっと頭を撫でていてくれた。
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