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それは、コピーライターだった社長の渡米宣言という突然の出来事で幕が上がった。
その年は例年になく暑い夏で、社長の宣言からほぼ2ヶ月余りで会社の残務作業を淡々とこなし最終的に会社の解散という形で幕を閉じた。
当初、社長と2人でスタートした広告制作の会社だったが、設立初年度から経営は順調な滑りだし。
徐々にスタッフも増やし何の問題もないように思えた。
アメリカでマーケティングの勉強をし直したいという社長の宣言は社員からすれば晴天のヘキレキ。
猛烈なクレームの嵐だった。
当時、我がままな社長の言い分をあっさり承諾した自分を振り返ってみるとどこか突拍子もない社長のアクションに対して強く憧れる気持ちが心の片隅にあったように思う。
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