今日から

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去年の11月頃 だっただろうか…。 俺は12倍という 超高倍率の中、 国家公務員の 採用をもらった。 その時の俺は 当たり前やろ、と なにも感じることなく 採用通知を、ただの レシートの様に まるめて財布に 詰め込んだ。 俺が合格したのは 陸上自衛隊。 それも一般陸曹候補生と 呼ばれるもので、 これは54歳で定年を 迎えるまでずっと 職務に専念し、 国防のために自分の 技術.体力を極限まで 高めることを 約束された制度だ。 当時の自分は この制度の意味を 全く理解しておらず、 合格したからいいや。と ある種アルバイト感覚で 採用を受け止めていた。 そんな俺には 最近付き合い始めた 1つ年下の彼女がいた。 彼女は俺が自衛隊に 行くことを知り、 想いを伝えてきた。 遠距離でやって いけるだろうか…。 そんな不安もあったが 彼女といるときは そんなことどうでも よくなるくらい 楽しかった。 そして俺には、 彼女や家族以上に 必要とし愛する 地元の仲間がいた。 決まって遊ぶのは S.H.R.J.Yの6人だ。 このうちS.H.R.Jは 小学校からの付き合いで、 恋人関係や家族関係は もとより、受験や 初体験の喜びまで 分かち合った仲間だ。 こいつらが居なければ 今の俺はいない。 そう言い切れるくらい 大切な仲間だ。 そんな恋人や仲間達と 別れを告げて、 今日の夜には全く 見知らぬ土地で 全く見知らぬ人と 寝ていると思うと、 なんだか不思議な気分だ。
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