prologue

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大きすぎず小さすぎず、適度な大きさの胸。 絹のように白い素肌に、すらりと長い脚。 少々子供っぽい顔つきだが、安い娼婦より良い顔をしている。 彼の頭の中では、様々な妄想が広がっている。 その酷く歪んだ汚い顔を見るだけで、瑞々しく若い身体を満足するまで犯したいと妄想していることが伺い知れる。 だが、次の女の一言で現実に一気に引き戻されることになった。 「バカみたい」 「何だと!?」 男は妄想の邪魔をされた上に侮辱され、茹でたタコのように顔を赤くして不機嫌顔になった。 酒が入っているだけに、いつもより余計に赤い。と、気楽な野次馬が騒いでいる。 「あんたに裸を見られるくらいなら、死んだ方が数倍もマシ。それに、許して貰う必要もない」 女が出した手札に、赤かった男の顔は真っ青になった。 クイーンの絵札が四つ並んでいる。役はフォーカードだ。 フラッシュよりも二つ上の役であった。 野次馬のボルテージが上がった。 男を哀れむような声や茶々を入れるような言葉が彼にかけられ、怒り狂った男はテーブルに拳を叩きつけた。 「イカサマだ! 何度も何度もやって一敗もしねぇわけがねぇ!!」 ソーセージのような指を女に向けた次の瞬間、男の目の前に銃口が突きつけられた。 無骨な色と洗練されたフォルムを持つモーゼルM712シュネルフォイヤー。 ハンマーが起き、トリガーを引けば撃針が雷管を叩いて鉛弾が撃ち出される。 女は引き金に指をかけ、静かに口を開いた。 「ブーブーうるさい、負け犬以下の豚野郎が」 鋭い灰色の目線は真っ直ぐ男を突き刺していた。 男が思わずたじろぐ。 「弱いくせに、言いがかり付けないでよ。冗談は汚い顔だけにして」 ブーツを履いた足を床に叩きつけた。 床板が軋んで弾み、ブーツのヒールと床の間に痩せ男の細首が挟まっていた。 痩せ男は気管を押さえられ、まるで頭を押さえられた蛇のように悶えている。 女は痩せ男の眼前にモーゼルの銃口を突きつけた。 「私のスカートの中、もっと見たいなら、鉛弾を眼球の代わりに埋め込んであげる。それで見えるかは知らないけど」 男は悶えるのを忘れ、金縛りにあったように動かなくなった。 酸欠で死にかけたかもしれない。 モーゼルをホルスターに差し込み、席を立つ。 邪魔な痩せ男を越え、賞金をガンベルトに止めたウェストポーチに押し込むと、出口に足を進めた。
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